大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)308 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士成田篤郎の上告理由第一点について。

しかし、本件手形の真正に成立したものであることは、原審挙示の証拠によつて

十分に認められるから、原判決には所論のような審理不尽理由不備の違法はない。

第二点について。

しかし(イ)原判決は、訴外Dが上告人の承諾のもとに本件手形に上告人の記名

をし、上告人がそれに押印した事実を証拠によつて確定し、それによつて署名と同

じに取扱われる記名押印があつたものと認めたのであるから、原判決には手形法の

解釈を誤つた違法があるとは認められない

そして(ロ)原判決は、本件手形の支払場所は被上告人宅としてあるのであるか

ら、反証のない本件では手形の所持人である被上告人は、満期日に右支払場所であ

る被上告人宅にあつて本件手形を所持し、呈示の準備をしつつ支払を待つていたも

のと認めるのを相当とするから、上告人が当日右支払場所に出頭しなかつたために

現実手形を呈示し得なかつたとしても呈示があつたと同じ効果を有するものと解さ

なければならない旨認定、判示している。そして、当裁判所は、右の認定、判示を

正当として是認する。されば所論は採るを得ない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり

判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

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裁判官 入 江 俊 郎

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